真面目な方のお葬式の話。こういう風に1つの物事をちがった感じで書いていくのって好きです。


亡くなったのは母親の義父、という人で。ホントに全く知らなくて。知らないというか、今回亡くなって初めて存在を知った人で。ウチの家庭は未だ謎が多い。


だから立場としては完全な客観で。故人のことも何も知らなかったので正直、きちんとした気持ちで送ることなんて出来ないと思ってたんだけど。当然の事ながら、親族の人たちはみんな泣いていて。その中に小学生高学年か中学生くらいの女の子がいて。故人のお孫さんに当たる子なんだろうケド、その子も泣いていて。


一通り式も終わり、棺桶に釘を打つ。みんな泣いていて。


78歳でなくなられたそうです。78歳まで生きて、ちゃんと心から泣いてくれる人がいて、お孫さんも泣いてくれて。

俺は故人を全く知らないのだけれども、きっと悪い人ではなかったんだろうな、と思う。そして少し羨ましくもあった。結構長生きして、死んだ時には孫も泣いてくれるような人生って言うのは、きっと幸せだったんじゃないかと思う。


地元から車で3時間もかけて知らない土地に、知らない人の葬式に来て「何やってんだろう」と思った。けれど、そのこじんまりとした、しかしちゃんと気持ちのあるお葬式の光景を見たとき、来た時よりも少しだけ、故人のことをキチンと送る気になれた。出棺の際に、その時に出来るだけの気持ちをもめて頭を下げた。流石に「着てよかった」とまでは思えないけど「来なきゃよかった」とも思わない。ご冥福を。


あとなんか式場側の演出で整然の写真をスライドで写しながら感動っぽいナレーションをつける、みたいな結婚式みたいなことやってたんだけど最近の葬式ってそんなことまでやるのか。余計なことだと思うんだけど。


そのスライドで出てきた母親の成人式の時の写真。ちょっとビックリするくらい美人だった。今でもまぁ年のワリにキレイなんだけど30年前の成人式の写真見て、今の時代でも全然美人なレベルってすげーなーと。ちょっとケバかったけど。何で息子の俺はその遺伝子が無いんだろう!隔世遺伝?!